鬱展開なのに惹きつけられる本

鬱展開な話って後味が悪かったり、胸糞が悪くなったりしますよね。


だからなのかとても印象深く、時には一種の教訓として自分の一部となっていく物語も多いです。



そんな鬱展開の小説を紹介していきたいと思います。

1.私の消滅

まずは、中村文則著「男を待ち受けるのは、狂気か救済か。


私の消滅

私の消滅


こちらがその本です。見るからにおどろおどろしいですね。


Google booksでの商品紹介の



「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記―これを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。」



の一文目がとても衝撃的であり、またこの本の内容を正確に表しています。



物語が後半に進むにつれて明らかになる事実、衝撃の結末など、ミステリー好きには特にオススメです。



また、宮崎勤の女児殺害事件など、現実にあった事件に対する考察の場面もあり、とても生々しい印象を受けます。

 


2.向日葵の咲かない夏


これは「カラスの親指」などでお馴染みの道尾秀介の本です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)



こちらは、死んだ友人が蜘蛛として蘇る、というファンタジー風な物語に見えますが、読み進めていくうちに何やら不穏な動きが出てきます。




なんとなく察しつつも物語は進んで行き、そして最後の文で救いようのなさ
をひしひしと感じる、そんな文です。



登場人物視点からはバッドエンドではないので、鬱展開初心者にはオススメです。



何とも言えない後味の悪さを楽しんで下さい。 

3.殺人鬼ー覚醒編


最後は、「Another」などで有名な綾辻行人の本です。



この本はかなり過激な場面があるので、グロテスクな表現に耐性のある方のみお読み下さい。



殺人鬼  ‐‐覚醒篇 (角川文庫)

殺人鬼 ‐‐覚醒篇 (角川文庫)



表紙からしてホラーです。




内容としては、ほぼはぼホラーで、登場人物はひたすら理不尽な目にあい続けます。



そして、先程も書いた通り、これでもかってほどにグロテスクです。



そのグロテスクさは後書きでも言及されるほどです。



しかし、その表現の裏に隠された謎に気がついた時、たまらず再読してしまう本です。



綾辻さんが元々ミステリ作家ということもあり、謎に気がついたときの爽快感は大きいです。



最後に

鬱展開の小説、いかがだったでしょうか。



敬遠しがちな鬱展開の物語ですが、メッセージ性の強いものも多いです。



また、自分だったらと思うと鳥肌が立つものばかりですが、小説だからと割り切って、現実では出来ないような体験に浸るのも一興だと思います。  



是非読んで、どこかどんよりした気分になってください。



ここまで読んで下さりありがとうございました。